2016年04月18日

グルテンフリーの嘘、本当(13)古代小麦の話(2)

グルテンフリーの嘘、本当シリーズ、今回は早く更新できましたよ〜〜(笑)。うれしいです。
それはともかく、今日は「古代小麦の話(2)」ということで、なんだかよくわからない「古代小麦」というものを探ってみたいと思います。

前回は、小麦の進化と、古代小麦のうち、遺跡から発掘された種をまいてできたという「カムット小麦」にスポットを当ててみました。
「カムット小麦」は、一つしかないので、とてもわかりやすいですね。
それに比べて、長い間毎年種を取り繋ぎながら人類に栽培されてきた、「スペルト小麦」と呼ばれる小麦には、色々な品種があり、そして日本人がそう呼ぶ時に、呼ぶ人の理解不足により、混乱が生じてしまっています。

「スペルト小麦」という名前は、学名の「Triticum spelta」から来ていて、染色体48の「パンコムギ」の祖先を指す言葉です。
ところが、小麦を古くから育てている国はたくさんあり、それぞれの言葉で呼ばれているので、最近導入された日本において、呼び方に混乱があるんです。
お米だって、日本では「お米」だけれど、英語では「ライス」、スペイン語では「アロース」と呼ばれていますからね。

ドイツの古代小麦は「ディンケル」、スイスでは「スペルス」、英語では「スペルト」という具合です。
しかし、その中で一番混乱しているのがイタリアです。

イタリアでは、古い時代の小麦のことを「ファッロ」と呼んでいます。
ところがそのファッロ、実は「一粒小麦」と「二粒小麦」、「パン小麦(普通小麦)」もすべて「ファッロ」というから紛らわしいんですよ。
実はですね、正確に言うと、「一粒小麦」のファッロは、「ファッロピッコロ(Farro piccolo)」と呼び、「二粒小麦」のファッロは「ファッロメディオ(Farro medio)」と呼び、「パン小麦(普通小麦)」のファッロを「ファッログランデ(Farro grande)」と呼んでいます。
それとは別に、少しだけ磨いた(精米みたいなもの)小麦を水に戻して柔らかくし、その後乾燥させた、イタリア料理によく使う小麦粒のことも「ファッロ」と呼んだりします。
だから、まったくをもって紛らわしいのです。
「ファッロ=スペルト小麦」と明記しているサイトもあるし、なおさら混乱してしまいますね。
もちろんイタリアでは、ファッロ=スペルト小麦というものもありますが、概ね二粒小麦の古代小麦が多いようです。

ファッロの粉をパンに使ってみると、一目瞭然に分かります。
パンらしく焼けるものは染色体42の「パン小麦(普通小麦)」の古代小麦のファッロ。
横にだらけたように生地が延びるのが染色体28の「二粒小麦のファッロ」です。
染色体数14の「ファッロピッコロ(Farro piccolo)」(一粒小麦)のファッロの粉も、パンに使って見ると、ほぼ二粒小麦と同じような使い勝手で、横にだらけるように伸びて行きました。
そんな混乱した様子は、こちらのブログでも書かれていますよ。良かったら見てくださいね。

とにかく、昔から種をつないできた古代小麦、または遺跡から発見された種を基にした古代小麦の「カムット小麦」は、現代のテクノロジーによる品種改良の洗礼を受けていません。
そのあたりが小麦アレルギーの人でもある程度(70〜80%)食べられるという「特別」な小麦だと言えるでしょう。
あっ、そう言えば「カムット小麦」は「二粒小麦」の仲間だそうですよ。

IMG_2656.JPG
写真は、広大な小麦畑が広がるスペイン北部の巡礼路の「カストロへリス」付近の風景です。
世界の小麦が自然のままの古代小麦にとって替わる時代は果たして来るのでしょうか?。
そんな時代を夢に見つつ、次回からは「現代の小麦」の最大の問題点を浮き彫りにしていきましょう。
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