2016年07月31日

グルテンフリーの嘘、本当(17)パスタの話(2)

グルテンフリーの嘘、本当シリーズも17回目となりました。
今回はかなり早い更新ですよ〜〜!(^^)!

今回は「パスタ」の乾燥の話を書きたいと思います。
パスタは「生パスタ」以外は乾燥ものですよね。
麺類を乾燥させるという行為は、パスタだけではなく、「うどん」や「そうめん」、はたまた「米粉の麺」にも共通性があります。
しかし、今回はパスタのことに重点を置いて書いていきたいと思います。

「生パスタ」を乾燥させて保存性をよくすることは、本場イタリアでは15世紀ころから行われていたようです。
乾燥パスタはなんと!!、500年もの歴史があるんですね。
もちろん昔は「天日乾燥」が主流、というか、それしか方法がなかったと思われます。
ところが、ハイテク化された現代においては、「天日乾燥」なんて言うのんびりしたことをやっている時間はありません。
つまり、乾燥機にかけて、短時間に乾燥させる方法が主流となっています。

パスタの乾燥温度は、おおむね「低温乾燥」と「高温乾燥」に分かれます。
「低温乾燥」とは、グルテンが凝固する温度(73℃)以下で乾燥することを言い、「高温乾燥」は、それ以上の温度で乾燥させることを言います。
時間の余裕のない現代においては、「高温乾燥」が主流なのは言うまでもありません。
低温乾燥は時間がかかり、「乾燥室」を長い時間占領し、効率的ではないからです。
そして、高温乾燥のパスタは、だれが茹でても「アルデンテ」で茹でることができるんですよ。
つまり失敗が少ないんです。
低温乾燥パスタは、調理する人のカンとか経験がものを言います。
つまり、職人の世界なんですね。
どうしてかというと、高温乾燥すると、セモリナ粉に含まれるアミド質がゼラチン化してパスタの外側表面が固くなってしまいます。
しかし、それがあるために、「茹で過ぎ」になりにくいのです。
だから誰が茹でても、少々ゆで時間が過ぎてしまっても「アルデンテ」なんです(笑)。
でも待てよ、ということは、「変質」しているんじゃないの??、と思いませんか。
そうなんです、高温のストレスで、デンプンとタンパク質は変質して、とても消化に悪いものになってしまっているんです。
具体的に書いていきましょう。

パスタは高温乾燥の過程ではタンパク質が「高分子量化」することが科学的に知られてきました。
それはこちらのページに記述されています。
「高分子量化」とは、つまり「低分子量」のたんぱく質が「高分子量」になるということです。
人間の消化過程において、分子をなるべく小さくしていくことを「消化」と呼びます。
分子が小さくないと、吸収できないからです。
しかし、低分子であったタンパク質が、分子が大きく(高分子量化)してしまうと、消化吸収しにくくなり、分解に時間がかかるので、体の負担は大きくなります。
つまり、パスタは高温乾燥すると、タンパク質が消化しにくく変化した状態になってしまいます。

実はタンパク質だけではなく、「デンプン」も同じように変質することが近代の研究によってわかってきました。
これは小麦だけの問題ではありません。
お米もデンプンが多いですからね。
だから、グルテンフリーを意識するあまり、「米粉の麺」にすればすべて解決・・・ということにはならないんですよ。
乾燥温度をしっかりチェックすることが大切です。

どういう事かというと、デンプンは「αデンプン」と「βデンプン」というものに分けられますが、生の小麦や米が持っているデンプンは「αデンプン」なんですね。
東海コープ 商品安全センターからの知恵」にわかりやすく出ているので、引用させていただきます。
それによると・・・・(ここから引用)元々、穀物などに含まれるでんぷんは、数多くのブドウ糖が規則正しく連なってできていて、そのままでは食べられず、食べても旨みを感じません。この状態のものをβ(ベータ)-デンプンと言います。これに水を加えて加熱すると、分子をつなぐ結合が緩んで、そこに水が入り込みます。さらに熱をかけるとβ-デンプンの集合体はどんどん緩んで、その回りを水が取り囲み、粘り気のある状態に変化します。この状態の変化をでんぷんの『糊化(こか)』と言います。この糊化したものをα(アルファ)-デン
プンと呼び、糊化のことをα化とも言います。α-デンプンは、結晶構造がほどけた状態にあるため、消化が良く唾液のアミラーゼでブドウ糖に分解されるので甘く感じます。(引用終わり)

そして、 消化に良く変化してくれたαデンプンも、扱いを間違えると難消化性の「老化でんぷん(βデンプン)」に変化してしまいます。
同じページを再び引用させていただこうと思います。・・・・(ここから引用)せっかくα化したでんぷんも冷蔵庫などの低温にさらされると、また元のβ-デンプンに戻ってしまいます。このβ-デンプンの状態になることをでんぷんの『老化』と呼び、β化とも言います。老化したでんぷんは、粘度が減少してパサパサになりますが、その分腐りにくくなり保存しやすくもなります。人間はβ-デンプンを消化する酵素を持っていないため、胃の中でα-デンプンに変えるのに非常に時間が掛かり、とても消化に悪いです。おいしくもありませんので、体のことを考えるとあまり食べないほうが良さそうです。(引用終わり)

ところが、パスタの高温乾燥(73℃以上)の加工をすると、パスタに含まれるデンプンが、「老化でんぷん(βデンプン)」になってしまうのです。
製造条件の異なるスパゲティの機械的性質の調査」という論文によれば、
(ここから引用)・・・・一般的に澱粉は一度老化澱粉になると元の糊化澱粉に戻すことは非常に難しい。スパゲティを 茹でたとき,生スパゲティはその大半が糊化澱粉になるのに対して、老化澱粉が多く含まれた乾燥スパゲティは茹でても全てが糊化澱粉にはならない。・・・(引用終わり)

というように、論文でも結論付けられています。
そしてその「老化でんぷん(βデンプン)」が消化できないとしたら……

世に出回っていいる乾燥パスタの大半は、この「高温乾燥パスタ」です。
それを主食のように食べること、そして前回も書きましたが、原材料の小麦がもしかしたら「除草剤」で枯らして収穫されたものだとしたら・・・さらに「人為的品種改良」され、自然界にないデンプンやたんぱく質になっているものだとしたら・・・・・
安いから、失敗が少ないから・・・それだけの理由でそういうものを選びますか?。
それと、乾麺はどうしてもこの「乾燥」ということが付いて回ります。たとえグルテンフリーの麺であってもです。
天日乾燥やそれに近い乾燥方法(低温乾燥)のものを選ばないと、消化に負担がかることはもうお判りでしょう。
だから、グルテンフリーというカテゴリーではなく、別の面から良いものを選びましょう。
小麦にも「古代小麦」という品種改良されていないものも最近は注目されていますね。
オーガニックや自然栽培のそれを原材料にした「低温乾燥パスタ」も日本でも手に入る時代になりました。

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ボリビアの世界遺産の街「スークレ」近郊の「タラブコ」の日曜市で売られていた、いろいろな種類の乾燥パスタ。
果たしてこれは「低温乾燥」なのか、「高温乾燥」なのか??。
料理することが出来ない旅人の私は買いませんでしたが(笑)。

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こちらはペルー式の驚きのチャーハン。
ごはんと細麺が入っています。
名前はなぜか、「Chaufa Aeropuerto」(空港のチャーハン)と呼びます(笑)。

2016年07月29日

グルテンフリーの嘘、本当(16)パスタの話(1)

皆様こんにちは。
大変お待たせいたしました。
グルテンフリーの嘘、本当シリーズ、3か月もの間、更新していませんでしたが、やっと更新をできることになりました。
もうっ少し早く更新できるように頑張ります。(いつもそう書いているような気がしますが…)
あと5〜6回で終わりになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

前回まで、小麦やグルテン、さらに脱線して米や粉物の話まで書いてきましたが、今回と次回は、「パスタ」の話を書いていこうと思います。

「パスタ」といえば、皆様はほとんどの方が「イタリア料理」を思い浮かべるのではないでしょうか?。
しかし、今や「パスタ」は世界中至る所で食べられる、いわば「国際食」と言って良いほど、あちこちで見かけますね。もちろん日本でも。
パスタの原料は、ご存知のように小麦です。
だから、このシリーズに取り上げないわけにはいきませんからね(笑)。

最近イタリアでも、小麦アレルギーが増えていると聞きました。
あの「スローフード」発祥の地、イタリアでもですから驚きです。
それはどうしてでしょうか、その辺を紐解いていくことにより、どんなパスタを選べばよいかが見えてきます。

パスタの原料となる小麦は、「デュラム小麦」です。
このデュラム小麦は前にも書いた「小麦の進化過程」の2番目に当たる「二粒小麦」を祖先にしています。
そう、「祖先」です。
今、パスタの原料として世界で生産されているデュラム小麦(durum)は、その「二粒小麦」を元にして、イタリアを中心に「人為的品種改良(放射線育種を含む)」がなされたものになっているそうです。
そのあたりについては、「こちら」のページの後半を読んでくださいね。
だから、いくらオーガニック栽培と言っても、デュラム小麦である以上、その辺をよく調べないといけません。

イタリアでは、国内生産のパスタを賄える「デュラム小麦」が足りなくなって、今はかなり輸入されていると聞きます。
しかし、イタリアにデュラム小麦を輸入し、そこでパスタに加工し、その製品が日本に入ってきたとしても、表示はもちろん「原産国・・・イタリア」となります。
前回も書いたとおり、今アメリカで栽培されるデュラム小麦のなんと!!99%が、除草剤(枯葉財)を使い、小麦を枯らしてから収穫するという農法のものですから、「イタリア産パスタ」と言っても、そういう粉が使われている可能性が高いでしょう。

さらにパスタは、生パスタでない限り、「乾燥」させなければいけません。
その乾燥の過程ででんぷんやたんぱく質が変性する可能性があります。
そのあたりについては、次回に書きたいと思います。

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写真はどう見てもゆで過ぎの伸びきったパスタ。
パスタを「アルデンテ」で食べるのを好むのは、日本と北イタリアくらいだそうですよ。
だからペルーの高原都市「ワンカイヨ」で私が食べたこのパスタは、私にとっては「ゆで過ぎ」です(笑)。

2016年04月29日

グルテンフリーの嘘、本当(15)現代の小麦(5)

グルテンフリーの嘘、本当シリーズ、今回も早目に更新できて、うれしいです。
さて、本題に入りましょう。

前回で、「現代の小麦」が生物的に人間に依存するあまり、「穂」から種が脱落しなくなってしまったということを書きました。
それはしかし、農家にとってはまことに好都合です。
だって、脱落したら、収穫できないですからね(笑)。
しかし、そこに重大な副作用が出来てしまいました。
それは、穂に種が付いた状態で、「発芽」してしまうと言う性質です。
小麦は「発芽」すると、製品にはなりません。
澱粉と蛋白質が変質するからです。
そこで、現在アメリカを含め、色々なところで行われている驚きの「発芽対策」があるんです。
それは・・・・・・

小麦の収穫直前に、空から飛行機で、あるいは大型の農業機械でなんと!!、小麦を枯らすために「除草剤」を撒き、小麦を枯らしてしまうのです。
枯れてしまった小麦は、当然のことですが、もはや「発芽」する能力はありません。
小麦農家はこれにより、本当に効率よく小麦を収穫できるのです。
そして、その「除草剤」は、今世界で問題になっている、「ラウンドアップ」です。
この問題は、色々なサイトに最近登場しました。
ラウンドアップに含まれる除草成分の「グリホサート」は特に問題視されています。
リンクを貼り付けておきますので、時間がある時に見ていただけたらと思います。
ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
新発見。BLOG(1)
新発見。BLOG(2)

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空から飛行機でまかれる除草剤のラウンドアップ。(新発見ブログの写真を拝借いたしました。)

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大型機械で撒かれる除草剤のラウンドアップ。(新発見ブログより拝借いたしました。)

そして、この除草剤を撒いて収穫した小麦は、日本にも大量に輸入されています。
もちろん輸入された時に、水際で除草剤の残留検査が行われ、基準値以下であることを確認し、市場へと流れて行くのです。
そう、「基準値以下」。
それは何を意味するかと言えば、基準値以下ではあるけれど、残留しているということです。
その残留については「はらぺこ散歩道 福岡市城南区の米屋・屋部商店のブログ」に詳しく出ています。
それによると・・・
(引用開始「除草剤グリホサートは、輸入作物の検疫項目の中でも主要なものです。それだけチェックされている農薬ですし、良く検出されている農薬です。ただし、 安全性の基準値より低い数字です。ただ、良く使われていますから、定量限界値を超えた量で検出され数字が出てきます。どのくらい残留農薬が残っているか、ほぼ正確に計ることができるくらいの量は残っていることになります。」
引用終わり)

このグリホサートを含む除草剤の使用率の統計があります。
アメリカの統計ですが、1998年と2012年の比較を見てみると、以下の通りです。
1998年は、春小麦で91%、デュラム小麦で88%、冬小麦で47%です。
2012年は、春小麦で97%、デュラム小麦で99%、冬小麦で61%と、驚くべき高率で使用されています。
この草を枯らす、いわば枯れ葉剤と言える成分の「グリホサート」は最近特に問題になっていて、腸内細菌を不均衡にしてしまうと言います。
それについては、英語サイトに詳しく出ていますので、良かったら見ていただければと思います。
こちらをクリック!!
そのサイトによれば、グルテンアレルギーの主因はラウンドアップの主成分の「グリホサート」であると、きっぱりと書かれています。
つまり、私の「グルテンフリーの嘘、本当シリーズ」のかねてからの主張通り、グルテンが悪いのではなく、別の要因である・・・ということになりますね。

このページを見る時間のない人のために、簡単なページもリンクしておきましょう。
こちら」です。
そして、それも見る時間のない人のために、そのページにある「表」を貼り付けておきましょう。
Incidencethousands jpg.jpg
それがこちらの表です。
黄色い右肩上がりの棒グラフが、「セリアック病の患者数の推移」で、折れ線グラフが「小麦に対するラウンドアップの使用量の推移」です。
セリアック病は、グルテンアレルギーの重度の症状を有する病気です。
この表を見れば、一目瞭然のように、小麦を枯らすための除草剤が、グルテンを悪者にしてしまったということを読み取ることができるでしょう。

2016年04月21日

グルテンフリーの嘘、本当(14)現代の小麦(4)小麦の魂胆

またまた早目の更新です。わ〜〜い(笑)。
今回から、いよいよ本丸の「現代の小麦」の話に戻りましょう。

地球上にある植物は、種を作り、次世代を残すために、他のものを利用するように進化してきました。
たとえば、「杉」や「ヒノキ」のような「針葉樹」は、風を利用して、花粉を飛ばして受粉するように進化しました。
今では「花粉症」の原因になるとして嫌われていますけれどね(笑)。
その「針葉樹」よりもさらに進化した「広葉樹」は、「花」を咲かせて昆虫に発見してもらいやすくし、「蜜」を準備して誘い、昆虫の力を借りて受粉させています。
道に生えている小さな草も同じように花を咲かせていますね。
しかし、もし風が吹かなかったら、「針葉樹」は次世代を残せません。
同じように、昆虫がいなかったら、「広葉樹」や草たちは次世代を残せません。
つまり、色々な生物や現象と、相互に依存しながらかかわりを持っているのです。
花の蜜がなければ生きていけない昆虫も多いですからね。

ところが「小麦」という植物は、野生の中で生きていくことを放棄し、人間に育てられる道を選んだのです。
人間の「主食」としての炭水化物を提供する替わりに、管理して育ててくれやすいように進化したのですから。
そのおかげで、小麦は今、空前の繁栄を謳歌しています。
世界の作物の作付面積で第2位を確保し、人間に育てられる恩恵を享受しています。

野生に近い古代小麦と呼ばれる小麦たちは、まだ本来の生態を保っていますが、「現代の小麦」と言われる、今現在人類が食べているほとんどの小麦は、人間に育てられることを選んだ小麦たちなのです。

人間に育てられるための生態は何かというと、
(1)実が熟し、種になった時に「穂」から脱落しないということ。
(2)背が低く、茎が太くて風などに対して丈夫なこと。

本来の野生植物は、種を自ら落とさないと、次世代が育ちませんよね。
又はリンゴなどのように、甘い実をつけ、鳥に食べてもらって種を遠くに運んで、糞と一緒に排泄してもらわないと次世代は育つことができません。
ところが、「現代の小麦」は、人間の長きにわたる「品種改良」という努力の結果、なんと!!、
「種が穂から脱落しない」という性質になっているのです。
それは栽培する人間にとっては、まことに好都合です。
地面に種が落ちちゃったら、たくさん収穫することは不可能だからです。
しかし、古代小麦には、まだこの性質が残っていて、誠に作りづらい性質なんですよ。
古代小麦を作っている方の努力に感謝せざる得を得ませんね。

近年のテクノロジーである、人為的な品種改良を施していない小麦ですら、この「難脱落性」を身に付けています。
それの証拠に、「小麦農林61号」という、日本では名の知れた品種があります。
この品種は、昭和9年、福岡の九州小麦試験地というところで交配され、昭和19年太平洋戦争の最中、佐賀県農業試験場で育種の結果生まれたそうです。
つまり、現代のテクノロジーによる「放射線育種」などの改変をやる、はるか前の時代の品種なのです。
その品種でさえ、「穂発芽」してしまうと言う性質があるのです。

「穂発芽」というのはどういうことかというと、穂から種が脱落することなく、穂の中から発芽してしまうことを言うのですが、なぜそれが起きるかというと、当然「難脱落性」があるからです。
小麦は「発芽」するとどうなるかと言えば、要は育つのに必要な栄養を胚乳部分から取り出す為に酵素が働き出して「栄養」が「デンプンは糖分」に、「タンパク質はアミノ酸」になるように分解していくのです。
そのような状態で粉になった小麦粉を「低アミロ小麦」と呼んでいます。
「低アミロ」とは、「アミログラフ」と呼ばれる、小麦粉の「粘度」を測定する装置で測った時の数値が低いという意味です。
つまり、粘り気のない小麦になってしまっているという時に使う言葉で、こうなった小麦は、パンにするにせよ、うどんにするにせよ、まったくを持って粘り気がなく、加工に適していない、本来の小麦粉とは別物になってしまうのです。
その結果、市場ではまったく値段が付きません。
ということは、「破棄」するしかないんですね。
だから、「穂発芽」は小麦を育てるうえで、本当に厄介な問題なんです。
そのために、今現在も、日本では様々な努力が重ねられています。
農林61号の穂発芽については、「こちら」をご覧ください。詳しく書いてありますよ。
その他に、「穂発芽」について詳しく書いたサイトは「こちら」です。見てね。

この「現代の小麦」の最大の問題点を克服するために、今アメリカで行われている、驚くべき栽培方法があります。
次回はその栽培方法について、書いて行きたいと思います。

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上の写真2枚は、南米のボリビアの首都のラパスの名物料理の「Salteña](サルテーニャ)。
なんと!!、「スープ」を中に閉じ込めたミートパイです。
「小麦粉」を使って作らないとこんな風にはできません。
だから、「小麦粉」も大切な食文化には必要不可欠なんですね。
良い小麦を選びましょう。(これが合言葉ですよ)

2016年04月18日

グルテンフリーの嘘、本当(13)古代小麦の話(2)

グルテンフリーの嘘、本当シリーズ、今回は早く更新できましたよ〜〜(笑)。うれしいです。
それはともかく、今日は「古代小麦の話(2)」ということで、なんだかよくわからない「古代小麦」というものを探ってみたいと思います。

前回は、小麦の進化と、古代小麦のうち、遺跡から発掘された種をまいてできたという「カムット小麦」にスポットを当ててみました。
「カムット小麦」は、一つしかないので、とてもわかりやすいですね。
それに比べて、長い間毎年種を取り繋ぎながら人類に栽培されてきた、「スペルト小麦」と呼ばれる小麦には、色々な品種があり、そして日本人がそう呼ぶ時に、呼ぶ人の理解不足により、混乱が生じてしまっています。

「スペルト小麦」という名前は、学名の「Triticum spelta」から来ていて、染色体48の「パンコムギ」の祖先を指す言葉です。
ところが、小麦を古くから育てている国はたくさんあり、それぞれの言葉で呼ばれているので、最近導入された日本において、呼び方に混乱があるんです。
お米だって、日本では「お米」だけれど、英語では「ライス」、スペイン語では「アロース」と呼ばれていますからね。

ドイツの古代小麦は「ディンケル」、スイスでは「スペルス」、英語では「スペルト」という具合です。
しかし、その中で一番混乱しているのがイタリアです。

イタリアでは、古い時代の小麦のことを「ファッロ」と呼んでいます。
ところがそのファッロ、実は「一粒小麦」と「二粒小麦」、「パン小麦(普通小麦)」もすべて「ファッロ」というから紛らわしいんですよ。
実はですね、正確に言うと、「一粒小麦」のファッロは、「ファッロピッコロ(Farro piccolo)」と呼び、「二粒小麦」のファッロは「ファッロメディオ(Farro medio)」と呼び、「パン小麦(普通小麦)」のファッロを「ファッログランデ(Farro grande)」と呼んでいます。
それとは別に、少しだけ磨いた(精米みたいなもの)小麦を水に戻して柔らかくし、その後乾燥させた、イタリア料理によく使う小麦粒のことも「ファッロ」と呼んだりします。
だから、まったくをもって紛らわしいのです。
「ファッロ=スペルト小麦」と明記しているサイトもあるし、なおさら混乱してしまいますね。
もちろんイタリアでは、ファッロ=スペルト小麦というものもありますが、概ね二粒小麦の古代小麦が多いようです。

ファッロの粉をパンに使ってみると、一目瞭然に分かります。
パンらしく焼けるものは染色体42の「パン小麦(普通小麦)」の古代小麦のファッロ。
横にだらけたように生地が延びるのが染色体28の「二粒小麦のファッロ」です。
染色体数14の「ファッロピッコロ(Farro piccolo)」(一粒小麦)のファッロの粉も、パンに使って見ると、ほぼ二粒小麦と同じような使い勝手で、横にだらけるように伸びて行きました。
そんな混乱した様子は、こちらのブログでも書かれていますよ。良かったら見てくださいね。

とにかく、昔から種をつないできた古代小麦、または遺跡から発見された種を基にした古代小麦の「カムット小麦」は、現代のテクノロジーによる品種改良の洗礼を受けていません。
そのあたりが小麦アレルギーの人でもある程度(70〜80%)食べられるという「特別」な小麦だと言えるでしょう。
あっ、そう言えば「カムット小麦」は「二粒小麦」の仲間だそうですよ。

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写真は、広大な小麦畑が広がるスペイン北部の巡礼路の「カストロへリス」付近の風景です。
世界の小麦が自然のままの古代小麦にとって替わる時代は果たして来るのでしょうか?。
そんな時代を夢に見つつ、次回からは「現代の小麦」の最大の問題点を浮き彫りにしていきましょう。

2016年04月12日

グルテンフリーの嘘、本当(12)古代小麦の話(1)

前回の更新から2カ月以上も経ってしまったこのシリーズ・・・なかなか更新が進まなくて、読んでくださる方に申し訳ないです。
しかし、それにもめげずにまだまだ頑張ります(笑)。

今回から2回ほど、「現代の小麦」から話題をずらし、「古代小麦」について書いて行きたいと思います。

「古代小麦」・・・この言葉を聞いたことがある方はたくさんいると思いますが、何を指して古代小麦と言うのか・・・というところが非常に混乱していますね。
グルテンフリーを標榜する方の中には、「古代小麦なら良い」という人までいる始末!!。
そりゃあね、いくら「古代」と言っても、グルテンは入っていますよ。(笑)
だけど、昭和26年以降に人為的品種改良された小麦とは、もちろん違います。
では、まずは小麦の進化の過程をちょっと書いておきたいと思います。

簡単に小麦の進化過程を言うと、染色体の数よる分布で3つに分かれています。
もっとも原始の状態の野生小麦は「一粒小麦」と呼ばれている、染色体数7対14本のもので、それが野生の「クサビコムギ」と交配し、「二粒小麦」と呼ばれる染色体数14対28本のものができ、それがやはり野生の「タルホコムギ」と交配して誕生したものが、現代の小麦と同じ数の染色体(21対42本)を持つ、「パン小麦」または「普通小麦」と呼ばれるものです。
かなり古くから、現代の小麦と同じ染色体のものが出来ていたんですよ。
それは、「wikipedia」に詳しく出ていますので、引用させていただきます。

以下引用・・・・
「中央アジアのコーカサス地方からイラクにかけてが原産地と考えられている。1粒系コムギの栽培は1万5千年前頃に始まった。その後1粒系コムギはクサビコムギAegilops speltoidesと交雑し2粒コムギになり、さらに紀元前5500年頃に2粒系コムギは野生種のタルホコムギAe. squarrosaと交雑し、普通コムギT. aestivumが生まれたといわれる。
普通コムギの栽培はメソポタミア地方で始まり、紀元前3000年ごろにはヨーロッパやアフリカに伝えられた。」
・・・・以上引用終わり

だから、古代小麦と言っても、色々なものが存在し、わかりにくくなっているんですね。
下記の図を見ていただくと、なんとなく全体像が分かると思いますので、貼り付けておきます。
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しかし、複雑な古代小麦は、現代においては大きく2つの系統に分かれています。
それは、自家採取しながら、延々と種をつないできた種類のものと、古代の遺跡から発掘された種をまいてみたら発芽したと言われる古代小麦の「カムット小麦」です。
複雑な小麦は次回に書くとして、カムット小麦とはどんなものかを少しだけ書いておきましょう。

カムット小麦は6000年前のエジプトで栽培されていたと言われています。
この小麦の種の発見は、秘密のヴェールに包まれた感があり、今や伝説の様になっています。
詳しくは、こちらのサイトをご覧くださいね。

ところで、このカムットという古代小麦は、小麦アレルギーの人の70%がアレルギー反応を起こさないそうですよ。
ラベルにそう書いてありました。
ということは、グルテンって、悪者じゃないということは一目瞭然ですね。
だって、小麦だもの、グルテン入っていますよ。
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2016年02月19日

グルテンフリーの嘘、本当(11)現代の小麦(3)

グルテンフリーの嘘、本当シリーズ、今回はかなり早く更新できましたよ〜〜。わ〜〜い♪♪♩ ♫♬〜♪〜
なんて喜んでいないで、さっそく話に入りましょう(笑)。

前回と前々回は、お米の話に脱線しましたが、今回は小麦の話に戻りましょう。
でもその前に、お米の品種についての話をしました。
このシリーズを読んでくださっている方のために、自分の食べている品種がわかる系統図があるので、リンクを貼り付けておきましょう。
このページを開いて、検索したい品種名を記入し、検索ボタンを押して調べてみてくださいね。
かなり複雑ですが、本当にどんな品種改良がされているかがわかります。
イネ品種・特性データーベース検索システム」です。

2回にわたって、お米のでんぷんの一つの、血糖値を上げやすい「アミロペクチン」の変容について書いてきましたが、小麦にももちろんその「アミロペクチン」が含まれています。
小麦のでんぷんは、「現代の小麦」において、概ね「アミロース」が23〜28%、残りが「アミロペクチン」と言われています。
うるち米からすれば、アミロペクチン含有量が少ないですね。
このシリーズの(7)で引用した、ウイリアム・デイビス著 白澤卓二訳の「小麦は食べるな」の46ページからの・・・今の小麦が持つ「スーパー糖質」の恐ろしさ・・・によると、アミロペクチンにはA、B、Cと3種類あり、それぞれ消化の速度が違うと述べられています。
この本によると、「現代の小麦」は「アミロペクチンA」により、恐ろしく早い速度で血糖値を上げるのだと・・・・
しかし、「アミロペクチンA」は、小麦だけの特有なものでしょうか?。
いえ、穀類のでんぷんは「アミロペクチンA」なんだそうですよ。
こちらの「デンプンの多様性」というページにはっきりと書かれています。
ということは、この「小麦は食べるな」の本の言うことがその通りならば、「お米」や「とうもろこし」もまた同じ「アミロペクチンA」を含み、血糖値を急激に上げてしまうはずですが・・・・・
ここにも「小麦粉」を「米粉」にチェンジすれば解決・・・・にはならない要素があると思います。

確かに色々なページを見て行くと、研究機関によってばらつきがあるものの、パンなどの小麦製品は概してGI値が高めです。
精白パン89、小麦全粒粉パン74というデーターや、小麦全粒粉パン72、精白パン69というページがありました。
それに対して、「アミロペクチンA」より血糖値を上げにくいと記述されている「アミロペクチンB」のでんぷんで構成されるジャガイモは、GI値が90。
これはいったいどういうことなのか・・・・・
こうなると、もう「ワタシ、ワッカリマセ〜〜ン」の世界ですね。
血糖値だけですべてを推しはかろうとすることは、これを見てもわかるとおり、「陳腐」なことに思えてなりません。

しかし、ここに重要な要素が隠れています。
「現代の小麦」とは、この「グルテンフリーの嘘、本当」シリーズの(7)や(8)でも書いたとおり、人為的品種改良によって生み出されたものですよね。
このシリーズ(9)で、お米のアミロペクチンが変質し、自然界にはない構造になっているということを、科学的なページにリンクを張って説明しました。
そうなんですよ、小麦でも同じことが・・・・・(科学的なデーターのページをまだ私は見つけられていません。もし見つけた方がいたら、教えて欲しいです。)推測されると思います。
さらに、小麦はデンプンだけではなく、「グルテン」に変化するたんぱく質も持ち合わせています。
つまり、そちらの方も・・・・・(こちらもまだそれを実証するページを見つけられずにいますが)。

ここまで来ると、本当に「人為的な品種改良」がどこまで良いのか悪いのか、私のような素人にはもう判断が付きません。
作る側、加工する側には好都合でしょう。
そして増え続ける地球の人類を養うためにももしかしたら必要かもしれません。
しかし、人間の健康のためにはどうなのか?・・・
たぶん長い時間をかけて、壮大な人体実験をやっている今の時代が過ぎ、未来の人が判断するんだと思います。
だけど、そんな実験に私は参加したくありません(笑)。

もはや「グルテンフリー」というキーワードは、私にとって存在していません。
(もちろんグルテンアレルギーの人には、絶対必要な言葉だと思いますが・・・・・)
グルテンそのものは、アレルギーの人を除き、悪者ではないからです。
変質したグルテン、さらにでんぷん。
多くの問題を抱えながら、次回は「古代小麦」の話に進んでいきましょう。

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写真はペルーの青空市場で売られている、ペルー産のの小麦で作られたパン。
ペルーの小麦はほぼ中力粉クラスだけなので、ふくらみが弱いですが、素朴でおいしいです。
しかし、こんなにたくさんのパン、果して1日で売り切れるのだろうか??といつも思ってしまう私です。
しかし、私もついつい買い食い・・・・(笑)

2016年02月16日

グルテンフリーの嘘、本当(10)現代の米の現実(2)

グルテンフリーの嘘、本当シリーズも10回目となりました。
グルテンフリーをキーワードに、様々な問題が出てきますね。
まだまだ続きますので、どうぞ読んでやってくださいませ。

ここでちょっと注意書きを書いておきましょう。
前の回に、お米のデンプンの「アミロース」と「アミロペクチン」の数値の表を、(株)グゥーのホームページよりにリンクして貼り付けました。
ただ、そこの注意書きにも書いてある通り、お米のでんぷんのアミロースとアミロペクチンの比率は、常に一定ではありません。
その年の天候や、育てる圃場の条件、土の質、自家採取する、しない等により、かなりの割合で変化しますので、これはあくまでも「参考的数値」と思ってくださいね。

ところで、前回と今回は、小麦やグルテンの話から脱線して、日本人のソウルフードの「お米」に関して書いて行きたいと思います。
前回は、「人為的品種改良」によって、もともとの性質とば別の「でんぷん」が出来てしまっているという話をしました。
その自然界にはなかったでんぷんが、人体にどのように働くのかを科学的に検証した論文や実験を私は知りません。
そして体にどれくらいの負担をかけるのかも未知の世界です。
しかし、感覚を研ぎ澄まし、五感をフルに使う毎日を送っている方は、何かおかしいことに気付き始めたのではないでしょうか?。
私の友人で、イタリアから本物のオリーブオイルや農産物を輸入している朝倉さんという方がいます。
その方の「オルチョ通信」新年号に、面白い記述がありましたので、引用させていただきます。

引用開始・・・・・
昨年の十二月松江のマクロビオティックのお店ひまわりさんにオルチョ講習に行ってきました。
女性オーナーの伊達さんは小柄ですが大きな声ではっきりものをおっしゃるダイナミックな女性でした。
さすが四十年の歴史のある老舗店のオーナーさんです。
店をするきっかけとなったのがとても興味深くご自身が一九歳の時に膠原病と診断され、行き着いたのがマクロビオティック玄米菜食だったそうです。
そしてなんと一年で病気が改善治癒したんだそうです。
それから伊達さんはマクロにまっしぐら、一点集中脇目もふらず広めることに力を注がれ無農薬野菜や自然食品をリヤカーで販売することから始められたそうです。
伊達さんにとって食の大切さを多くの人に知ってもらいたいという気持ちの強さが想像できます。
そしてその当時は病気の方もマクロ食(玄米を中心にした独特の調理法による菜食)でみるみる治っていったそうです。
しかし現在はそうもいかないと伊達さんは言います。
その原因は食物に・作物に力がない、そして治癒力を引き出す(人間側の)体力がない、と。
私も常日頃うすうす感じていたことでしたが四〇年の体験をもつ伊達さんの口から出た言葉はとても印象に残りました。
作物、食品、そして人すらも以前のような本来の力がない、ということです。
・・・・・引用終わり

なぜその昔に威力を発揮したマクロビオティックというものが、昔ほど効かなくなってしまったか??。
マクロビオティックでは病気を治すための「食養生」として、「玄米菜食」を勧めます。
玄米菜食だけがマクロビオティックではないのですが、養生にはとても良く効くんですね。
しかし、その主食となる玄米が、どのようなものか…までは考慮されていないというか、それを指導された方もほとんど品種のことまで考えていないのが現実でしょう。
前回に書いたとおり、その「お米」が、さまざまな品種改良を経て、消費者の好みに合うように、「モチモチ」した、「アミロペクチン」が多いお米になっているというのは現実です。
だから、主食でたくさん食べるものだけに、良く選ばないといけません

ある自然農法の農家さんのおっしゃっていたことが現実化してきています。
それは、マクロビオティックの伝説的な創始者の桜沢一如さん(1893〜1966)のころの玄米を食べないと良くならないのでは?。ということなんですよ。
つまり、創始者の指導は、当然その時代のお米を使っています。
しかし現代は・・・・
このことは「小麦」にも大いに言えると思います。いや、小麦以外の作物も当然に・・・・・。
しかし、何回も書いているように、一番たくさん食べる「主食」を気に止める必要があると思えてなりません。
日本人は「お米」。アメリカやヨーロッパの人なら「小麦」。
最近の日本人は、かなり小麦も食べるので、小麦に関しても相当気を使わないといけないと私は考えます。

次回からはその小麦に戻り、グルテンフリーの嘘、本当のテーマを突き詰めていきたいと思います。

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写真は、自然農法(無農薬・無施肥)の「高アミロース米」である「ササニシキ」を原料にした、タンボ・ロッジ開発のスイーツ用粗挽き米粉「こめっ粉40」です。
皆様よろしくね(笑)。

2016年02月09日

グルテンフリーの嘘、本当(9)現代の米の現実(1)

今回は真面目に早く更新が出来ました。やった〜〜♪♩ ♫♬〜♪〜(笑)。
グルテンフリーの嘘、本当シリーズは、ちょっとここで脱線したいと思います。
グルテンの話や小麦の話を離れて、日本人に一番身近な「お米」の話です。
というのは、グルテンフリー=小麦粉を米粉に・・・という図式になっていると私は感じるからです。
日本人なら誰しも認める「主食」としてのお米はどうなっているのかを、現時点で自分の知る限りお伝えしたいと思います。

お米には僅かばかりの(6〜7%)たんぱく質が含まれていますが、ほとんどが「でんぷん」と言っても過言ではありません。
しかし、そのでんぷんは2種類あるんです。
「アミロース」と「アミロペクチン」です。
「アミロペクチン」は、モチモチするでんぷんで、「もち米」のでんぷんはほぼ100%がこの「アミロペクチン」です。
アミロースはパサパサするでんぷんで、「うるち米」と言われるコメの平均的な含有量は、「アミロース20%、アミロペクチン80%」と言われています。
しかし、この含有量は、品種によって、かなりのばらつきがあるんです。
たとえば、ご飯として食べる時に、モチモチしていておいしいと評判の代表格の「コシヒカリ」では、アミロースが17%、アミロペクチンが83%となっています。
だから、当然モチモチしますよね(笑)。
おおむね「アミロース含有量が25%以上」のお米を「高アミロース米」と呼んでいます。

同じでんぷんでも、呼び名が違うということは、当然性質も構造もちがいます。
下記の画像を見てください。(ポケットメディカのホームページより拝借しました。)
m_2_54.jpg
これは「アミロース」と「アミロペクチン」の構造を分かり易くイラストにしたものです。
この図でもお分かりの通り、「アミロース」は螺旋状ではあるけれど、1本の鎖のような構造をしています。
それに比べて「アミロペクチン」は、まるで大きな樹木が枝葉を伸ばすように先端方向で別れています。
私たち人間がお米を食べた時、お米の中に含まれるでんぷんを、人間自身が分泌する酵素「αアミラーゼ」によって単糖類にまで分解し、栄養にしています。
「血糖値」と言われるものですね。
ところがこの「αアミラーゼ」くん、デンプンの端からしか分解できません。
つまり、「端」が2か所しかない「アミロース」の分解は遅く、「端」が何か所もある「アミロペクチン」の方が分解が早いのです。
つまり、うるち米よりもち米の方が「GI値」が高いんです。
だから、「米飴」はもち米から作った方が早く出来るんですね。

ところが・・・・最近の消費者の好みにより、パサパサしてあっさりとした「うるち米」よりも、モチモチした「うるち米」の方が「おいしい」と言われるようになりました。
そこで、色々な品種改良により生み出されたのが、「低アミロース米」、つまり、アミロペクチンが多い「主食米」です。
だから、コシヒカリはアミロース17%、アミロペクチン83%なんですね。
さらに、モチモチの代表格に上り詰めた「ミルキークイーン」はアミロースがたったの10%。
これではほとんどもち米みたいです(笑)。
それに比べて、パサパサするお米の代表格の「ササニシキ」は、アミロースが25%になっています。((株)グゥーのホームページより

つまり、最近の消費者は、血糖値が上がりやすい米を好んで主食にしているということが言えると思います。
もちろん血糖値がそれによって乱高下するという事態は好ましくありません。何しろ「主食」ですから、たくさん、そして何時も食べるんですものですからね。
しかし、昔の人はそう言うお米を主食にしていませんでした。
お餅を食べるのは正月くらいです。
あとは、パサパサ系のうるち米を食べていました。

さらに近年、その「アミロペクチン」の構造が変化してしまうという「品種改良」がおこなわれています。
それは・・・・前回の「グルテンフリーの嘘、本当」シリーズの記述で、国産のコメはなんと!!46種類にも及ぶ放射線を当てての人為的品種改良がなされていると述べました。。
さらに放射線照射以外に、人為的に突然変異(奇形)を誘発させる方法として、種子を化学薬剤漬ける「化学的育種法」も使われています。
前出の「ミルキークイーン」は放射線照射ではなく、「化学的育種法」で誕生した新しい品種です。

人為的品種改良により、アミロペクチンの構造が変化した・・・ということは、自然界はもともと無かった「アミロペクチン」を日本人を含め、人類が食べていることになりますね。
その変化の様子、こちらのページに詳しくイラストを交えて分かりやすく記述されています。

今回は長くなりましたので、この続きままた次回に書いていこうと思います。
IMG_1791.JPG
写真は「お米」を主食のように食べるペルーの料理「Locro de zapallo」(かぼちゃの煮込み料理)。
付いてくるご飯は長細い、アミロースが多い「インディカ米」です。

2016年02月02日

グルテンフリーの嘘、本当(8)現代の小麦(2)

またもや更新をさぼっていた「グルテンフリーの嘘、本当」シリーズ(笑)。
1カ月ぶりに更新しましょう。

前回から本題ともいえる小麦の話になってきました。
前回は小麦の品種改良=遺伝子操作が「現代の小麦」を生んでしまって、それが自然と反するものになっているということを、本を引用しながら書きました。
今回は、その品種改良の話をしましょう。

「品種改良」という言葉はよく聞きますね。
なんだかそんなに悪いイメージの言葉には感じません。(笑)
良くも悪くも、作物を人間に都合のよいものに変化させるために行われています。
たとえば米や麦だと、背が低く、風などで倒伏しにくい、多収(他のものよりたくさんとれる)、病気に強い、寒さに強い、暑さや日照りに強い・・・・ここまでは作る側の都合ですね。
そして、おいしい、米ならば、モチモチしていておいしく感じる、パンならば、良く膨らんで、ふかふかの食パンができる・・・などです。こちらは消費者の消費行動に起因しています。
野菜も同じです。かなりの品種改良がおこなわれています。
これらは人間にとっては極めて都合が良い面を持っています。
しかし、それが食べた人の健康にどう影響を及ぼすかは、実際にほとんどわかっていません。

ところで、日本では、昭和26年以降に盛んになった、「放射線照射」による品種改良があります。
「放射線育種」とも呼ばれています。
それはどういうものかというと、改良しようという作物の種に放射線を照射し、突然変異(奇形)を作り、それが人間の都合に合致する性質を示すならば、何代にもわたって種を取りながら育てて、その性質が固定化したのを見計らって、新しい品種としてデビューさせるというものです。
放射線にも何種類もあって、それを駆使するんですね。
たとえば「γ線(ガンマー線)」という放射線は、その作物が「後世獲得した性質をキャンセルする」という性質が強い改良になります。
つまり、小麦で考えると、他の植物と競争しなければいけない野性的環境では、背が高くならないと、太陽の光を浴びることができずに、枯れてしまいます。
だから、小麦は生き延びるために、「背が高くなる」という性質を獲得していくんですね。
種をつないできた、ヨーロッパの古代小麦は背の高い品種が多いのはこのためです。
しかし、圃場では、他の競争する植物は、人間が借り払って管理します。
そのため、背が低い方が風にも倒れにくく、好都合というわけです。

放射線により、品種改良された植物は本当にたくさんあります。
なにも小麦だけではありません。
だから、それが体に悪いと言うならば、小麦や大麦、ライ麦を避ける「グルテンフリー」を実践ただけでは何の意味もありません。
驚くことに、日本の中だけで考えると、「小麦」の放射線育種は2品種だけです。
それに引き換え、「お米」の放射線改良は、なんと!!46種類にも及びます。(2000年のデーター)
そのデーターは、IAEA(国際原子力機関)のホームページのデーターベースで確認ができます。
データーのアドレスを貼り付けておきましょう。
なんと、88ページにも及ぶ膨大な量ですよ。
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Newsletters/MB-REV-12.pdf

ただし、その放射線育種が体に悪いという確立されたデーターはありません。
しかし、「特定非営利活動法人Axis委員会連合」のホームページでは、そのことに対して、警鐘を鳴らしています。
品種改良の方法も、詳しく出ているので、参照していただけるとありがたいです。
http://axis-organic.com/essei/post-51.php