2015年12月27日

グルテンフリーの嘘、本当(7)現代の小麦(1)

しばらく更新をさぼっていた「グルテンフリーの嘘、本当」シリーズ。
久々に更新しましょうね。
今まではグルテンフリーとウィートフリー(小麦フリー)の違いや、グルテンを含まない米でも、粉物になった時には注意が必要ということを書いてきましたが、今回からは小麦の話を書いていきましょう。

最近の出版本で、--小麦は良くないから食べない方が良い--という本が良く読まれているようです。
代表格は、ウイリアム・デイビス著 白澤卓二訳の「小麦は食べるな」とか、世界的に有名になったテニスのアスリート、ノバク・ジョコビッチ著 タカ大丸訳の「ジョコビッチの生まれ変わる食事」などです。
それを熟読すると、なんだか変な記述が出てきます。
「現代の小麦」とか「最近の小麦」とか・・・・・
ほう、小麦にも現代っ子がいるのね・・・なんて冗談を言いたくなってしまいます。(笑)
しかし、それと呼応するように「古代小麦」と呼ばれるものがあります。
その「古代小麦」については、また後ほど書くことにして、今回はその現代っ子の小麦について書いてみたいと思います。

「現代の小麦」「最近の小麦」とは一体何でしょうか。
前出の本の「小麦は食べるな」によると、
ここから引用--「私達が日々食べているブランマフィンやオニオンチャバタなどに巧妙に形を変えているものはかつての小麦ではなく、20世紀後半に行われた遺伝子研究によって形質転換されたものです。現代の小麦が本物の小麦なら、チンパンジーは人間だというようなものです。」--引用終わり。
そして、同じくジョコビッチの本によると、
ここから引用--「さらに悪いことに、最近の小麦およびその他の穀物は、人体にさらにダメージを与えるような遺伝子組み換えが行われている。農業遺伝子工学を研究する科学者たちの研究によると、遺伝子組み換え小麦----今日地球上で食されている小麦のほぼ100%だ----に含まれるグルテンは、自然界に存在するものとは構造的に異なると言う。」--引用終わり

これを読むと恐ろしくなって、小麦は食べられなくなってしまいますね。
だって、現代の小麦は地球上の小麦のほぼ100%だというし、チンパンジーが人間だなんて、信じられないような比喩を使っていたり・・・・
しかし、これはかなり大雑把な記述ではないでしょうか。
たとえば民族にだって、「少数民族」という人たちもいます。それを抹殺するような書き方だし、あまりにも漠然としています。
そして、本を読み進むと、いちいち「現代の小麦」とか「最近の小麦」とは書かれている箇所は少なくなり、記述のほとんどが「小麦は・・・・」というように、小麦そのものが良くないというイメージが植え付けられてしまいます。
いったいどんな小麦がだめでどんな小麦が良いのか・・・・・
そもそも「現代の小麦ってなーに??」。
小麦の遺伝子操作については、前出の「小麦は食べるな」の30ページ〜39ページに大雑把ではあるけれど書いていあります。
確かに今、地球上で栽培されている小麦のかなりの割合が、このページに書いてあるような「品種改良」に拠った物です。
しかしこれはアメリカ人のドクターが書かれた本ですから、日本の国産小麦の実態とはちがったものになっていると思います。
そしてわずかに生き残って作られている「古代小麦」たち。

グルテンフリーが良いという考え方は、前述の「変質してしまったグルテン」について言っていることと思われます。
グルテンが悪いのではなく、変質してしまったグルテンが良くない・・・・・
そこに注目すると、私は変質していない小麦を選ぶ目を持てば、心配は無用ということになると思いますが、いかがでしょうか?。

グルテンが悪いということはありません。それは、たとえて言うと、「人参が悪い」というようなものです。
農薬を残留するほど与えて育てた人参は人体には良くないのは当たりまえでしょう。
しかし、人参そのものが悪いのではありませんよね。安全に育てられた人参はとても美味しいです。
グルテンについても同じことが言えると思います。

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写真・・広大な小麦畑が続く北スペインのメセタの大地を行く巡礼者。
巡礼者はタンボ・ロッジの支配人です(笑)。
2012年に私達が巡礼した時の写真です。
この広大な台地には、おそらく小麦以外の穀物を育てるのが大変だと思われます。
だから、小麦を否定すると地球を飢餓が襲うでしょう。
みんなで良い小麦を育てている人を応援しましょう。

2015年10月25日

グルテンフリーの嘘、本当(6)粉物の悲劇(2)

なかなか更新が進まない「グルテンフリーの嘘、本当」シリーズ。(笑)
久しぶりに更新します。
前回の「粉物の悲劇(1)」では、小麦がなぜ「粉」としてしか流通していないことを説明しました。
しかしそこには「粉物」すべての共通点があるのです。
つまり、何か加工しないと食べることが出来ない・・・・
お米のように単純に「炊いて食べる」ということが出来ないからなんですが、粉だからこそできる良さもあるんですよね。
膨らませたり、結着させたり、とろみをつけたり・・・・・
しかしそこに添加物や加工の時のストレスが入り込む余地が生まれます。

最近「グルテンフリー」が健康的・・・というイメージが独り歩きをしているように感じるのは私だけでしょうか?。
グルテンフリーを意識すると、どうしても「米粉」など、小麦粉とは別な粉物に意識が行ってしまいます。
でもそこは注意をしないと、「粉物の悲劇」が待っています。
米粉でパンを焼く・・・米粉でスイーツを作る・・・米粉の麺を選ぶ・・・
決して悪いことではないけれど、そこに「添加物」や加工のストレスがあるかを良く見ておかないと、「小麦」の二の舞になってしまいます。
つまり、「粉」になった以上、米粉も小麦粉も、もちろん雑穀の粉も、同じ土俵に乗っているということですからね。
小麦粉を米粉に変えさえすれば良い・・・というのはちょっと考えなさすぎに思えてなりません。

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写真は2015年の9月に新発売になった、タンボ・ロッジの無添加マクロ・スイーツに使う専用の「こめっ粉40」です。
もちろん無農薬・無施肥の自然農法のお米が原材料ですよ。
だから余計に「無添加」で使って欲しいです。
添加物のベーキングパウダーを入れて膨らませないでねぇ〜〜。(笑)

2015年10月04日

グルテンフリーの嘘、本当(5)粉物の悲劇(1)

グルテンフリーの嘘、本当シリーズも、5回目に入りました。
4回目まではグルテンフリーとウィートフリー(小麦フリー)の違いについて述べました。
小麦を除去しただけなのに、グルテンフリーであると勘違いしている方が多いからです。
5回目からは新しい課題に入りましょう。
題して「粉物の悲劇」。
今日はその「粉物の悲劇」の第1回目です。

実は小麦って、粉しかありません。(たまにほんの少し削っただけのものも存在しますが)
なぜかというと、お米の「白米」のように皮を完全に剥いて、「粒」状態で存在させることが出来ないからです。
だから粉にするのです。
どうしてかというと・・・・・下の写真をご覧ください。
写真の下に横たわっているのは、ドイツ起源の「ディンケル」と言う品種の古代小麦の穂です。
それを手で剥いて行きます。
横並びの左のものは、「穂」から粒一つ分を取り外したところです。
2番目は、籾殻を取り除いたところ。2つの種が入っているように見えますね。
一つの鞘から2つ以上の小麦粒が取れるんですね。
そしてその右隣はさらにそれを剥いて行くと、2粒の小麦の種が出てきます。
その硬い皮をむこうと、一生懸命爪を使って剥がそうとしますが、一番左の様に、中の胚乳の部分が崩壊して、粗い粉になってしまいます。
つまり、小麦での「白米」に当たるものは出来ないのです。
要するに、粉にするしかない!!!。
だから小麦はほとんどが「小麦粉」として流通しているし、小麦を使った製品は「粉物」だけと言ってもよいくらいなんですね。

それに対して「お米」はどうでしょうか。
精米できます。
白米に出来るんです。もちろん分搗き米も出来るし、玄米でも食べられます。
ご飯というものですね。
ご飯は、お米を洗って水を加えて火にかけるだけで食べられます。
つまり、加工の余地が少ないんです。

小麦はどうでしょうか??
粉にするしかないので、加工に色々なものが入ります。
そこに「添加物」だったり、油脂だったり、糖分だったり・・・・
だから加工に良い物を使わないと、「悲劇」が起こるんですね。
アレルギーになりやすかったり、調子悪くなったり・・・・

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2015年10月02日

グルテンフリーの嘘、本当(4)

このグルテンフリーの嘘、本当シリーズ、前回からちょっと記事のアップが開いてしまいました。
そこで今回は、ちょっとおさらいをしましょう。

グルテンを含む穀物は、「小麦」「大麦」「ライ麦」があります。
「ハト麦」は麦ではなく、「イネ科ジュズダマ属」の植物で、どちらかと言うと、「とうもろこし」に近い植物です。
食感が麦に近いので、そう呼ばれていると思いますが、もちろんグルテンは含んでいません。
「オーツ麦」(燕麦)はイネ科カラスムギ属の穀物。もちろんグルテンは含んでいません。
しかし、加工工程で、大麦やライ麦、小麦と混ざる可能性が大きいので、本当にグルテンフリーを求めるのならば、「グルテンフリー」と記述してあるものを選ばないといけません。

グルテンフリーではない食品は世の中に大変多く、避けるのはかなり難しいでしょう。
たとえば「醤油」。日本人なら必ず使いますよね。
醤油は小麦麹又は大麦麹と大豆を使い、発酵させて作ります。ですから、グルテンフリーとは言えません。

では以下に小麦を使っていないものでもグルテンを含むものをいくつか書いてみます。
「米飴」(大麦麦芽を使います)
「麦酒(ビール)」(大麦麦芽を使ってモルトを作ります)
「押し麦」(大麦を平らに押しつぶしたもの)
「麦味噌」(大麦麹を使います)

つまり、小麦を排除しただけではグルテンフリーとは言えないのです。
このあたりをくれぐれも間違えないでいただきたいと切に思うこのごろです。
だって、重篤な「セリアック病」の患者さんにとっては、命取りになる可能性があるからです。
グルテンフリーと言うには、決して小麦を除いただけの「WHEAT-FREE」(ウィート・フリー)だけではだめだということを覚えておいてくださいね。

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写真はタンボ・ロッジの朝食に出している、小麦アレルギーの人でも70%が食べられるという、古代小麦「カムット」100%のパン。

2015年09月07日

グルテンフリーの嘘、本当(3)

グルテンフリーの嘘、本当(2)の質問の答えです。
ミトクの「玄米せんべい・黒ごま」は、原材料の中に「玄米米飴」を含むために、「グルテンフリー」とは名乗れません。しかし小麦は使っていないので、「ウィート・フリー」になるのです。
グルテンは、小麦だけに含まれるわけではありません。
「大麦」、「ライ麦」にも含まれています。
そのグルテンは、小麦のものとは別種のグルテンで、水を加えて練っても、粘りは出ません。
しかし、グルテン・アレルギーやグルテン不耐症の人は反応してしまいます。
だから、小麦を除いただけでは、グルテンフリーとは言えません。
大麦、ライ麦とその加工品も除かなくてはいけません。(米飴、麦芽飴、麦味噌、醤油など)。
そして、オーツ麦(燕麦)に関して言えば、それ自体にはグルテンは含みませんが、加工工程や製品の製造過程で、大麦やライ麦、小麦と混ざる可能性が極めて高いので、特に「グルテンフリー」という表示のないオーツ麦も避けなければいけません。
ミトクの原材料にある「たまり醤油」は、本来の作り方は、豆麹(大豆だけの麹)と塩と水だけで作る、「豆味噌」の製造工程とほぼ同じです。
しかし、最近は簡単に作るために、「麦麹」を入れてしまった「たまり醤油」が存在します。
だからミトクのせんべいの原材料の欄には、わざわざ「たまり醤油(大豆、食塩)」と明記しているのですね。
通常の醤油はほとんどが、小麦、又は大麦の麹で作るので、グルテンフリーとは言えないからなんですよ。

皆さま、小麦を避けただけではグルテンフリーとは言えないので、くれぐれもその意味について、慎重に使いましょう。
だって、セリアック病(グルテンアレルギーの病気)の人は、微量なグルテンでも命にかかわる恐れがあるからです。
そのあたりの詳しい資料は、「こちら」をご覧くださいね。

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米飴を使うために、米粉100%のスイーツであっても、「グルテンフリー」とは名乗れないタンボ・ロッジのマクロ・スイーツたち。
でも、「食品添加物」であるベーキングパウダーは使いませんよ(笑)。

2015年09月03日

グルテンフリーの嘘、本当(2)

先日始めた「グルテンフリーの嘘、本当」シリーズ。
でも、第1回目の記事は、前触れだけで、全然中身なしで失礼いたしました(笑)
今日はちょっと、クイズを出してみたいと思います。
下に写真があります。
2種類の商品の写真です。
ひとつは「アリサン」が輸入している、お米から作ったライスミルクの「ライスドリーム・オリジナル」。
もう一つは「ミトク」が発売している玄米煎餅の海外仕様のパッケージの物です。
両者のそれぞれの原材料の写真も付けました。
「ライスドリーム」のパッケージには、「グルテンフリー」のマークが付いています。
一方の「玄米せんべい・黒ごま」には、「WHEAT-FREE」(ウィート・フリー)の文字。
「WHEAT-FREE」(ウィート・フリー)は、要するに「小麦フリー」という意味ですが、日本ではあまり使われていない印象ですね。
ではこの違いを述べてください。
つまり、ミトクの玄米せんべい・黒ごまは、なぜグルテンフリーではないのでしょうか?。
答えは次の記事で・・・(もったい付けてすいません、笑)。

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2015年09月02日

グルテンフリーの嘘、本当(1)

最近「健康のためにグルテンフリーが良い」ということが言われています。
しかし、タンボ・ロッジはその立場に立ってはいません。
そして「グルテンフリー」と言うには、、小麦を除去しただけではだめなのです。
その辺の情報が錯綜しているように感じるので、私が知る限りを、時々記事にしていきたいと思っています。
だけど、語り始めると極めて長くなってしまいます。(笑)
なので、「グルテンフリーの嘘、本当」という題名で、時々、時間が取れた時に記事にしていきますからね。

ということで、今日は前触れだけですいません。
写真は昨日のタンボ・ロッジの前菜の一つ、「低温乾燥古代小麦パスタのマッシュルームソース」です。
おいしいよ(笑)。

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